初心者が作る真空管アンプはなにがいいか?という題で作ったアンプを紹介します。実際にこの回路を使って最初の自作真空管アンプをつくりました。そのあと同じ部品を利用してつくったアンプは20年経った今も使っています。
目次
管球アンプ回路の紹介
本回路は1990年2月号の無線と実験で発表された伊藤喜多男氏の回路になります。記事では技術的なことや、測定結果などは書かれておりませんがとても気になる記述があります。
要約をすると、アンプを使用するスピーカーに合わせて調整するということです。アンプをいじれることでオーディオの楽しみがより広がると当時感じたのを今も覚えています。
既に亡くなられてしまいましたが、コンコルドの佐久間駿氏は曲に合わせてアンプを作ることをされていましたが、スピーカーに合わせてということのさらに先を行っていたように思います。
伊藤喜多男氏の場合はウエスタンエレクトリックのメンテナンスをされておりましたので趣味としてのオーディオというより食べるためのオーディオで考え方の違いを感じます。
6V6とは
6V6は、ビーム出力の4極真空管です。一口に6V6といっても基本仕様はおなじで用途により改良された球もあります。1936年後半にKen-Rad Tube&Lamp Corporationが発売した6V6Gが一番最初に販売されたもので、12月にRaytheonの6V6Gチューブの発売が発表されました。 ウィキペディア(英語)から引用
プレート電圧250V プレート電流45mAで4.5Wの出力を得られる真空管です。プッシュプルで使用すると13W程度のパワーを取ることができます。
また業務用アンプにもよく使われており、ライントランス用のドライブ球として使用された例もみられます。
6SJ7とは
5極増幅管でありシャープカットペントードです。たくさんある5極管の増幅管のなかでもオーディオ用にもよく使われており、音も好ましと評判の球です。RCAでは高信頼管の5693という球がありますが、ホームページを作成している現在ほとんど入手ができない状態となっています。
また、ガラス管とメタル管とありますがメタル管を使用する場合はケースをシャーシを落す必要がありますがそれ以外は変わりはないです。
その他の部品について
真空管以外のパーツで気になるのはタムラ製作所製のF-475というシングルトランスを使用しています。このトランスにはNFB用に3次巻き線がありここから初段のカソードに帰還を返しています。
コピーをする場合には、そのままが良いのですがF-475はとても高価になってしまったため代替する時にはどのように設計し直すかが面白い点になりそうです。
是非、ゼネラルトランスでタンゴシリーズと同じようにタムラシリーズの同等品を出していただきたいです。
作成し使用したレビュー
製作に関しては、失敗がないように緻密に設計をされているので作る際には部品点数が多く工数はおおくなります。逆にこれ通りに作るとハムなどに悩まさられる心配もないと感じます。WesternElectricの業務アンプを手掛けていた方で考え方の違いを感じます。
音については、奥行感、言葉を変えますと立体感が出てくるアンプです。真空管独特の粘りこい感じがしっかりと出てきます。
製作した当時は5万円前後の費用でつくれましたのでとてもコストパフォーマンスが高く、自分で組み立てて満足度が高いアンプです。