ターンテーブルは、アナログレコードの魅力を最大限に引き出すための非常に重要な役割を担っています。レコードを楽しむには、ターンテーブルの駆動方式の選択が音質や使用感に大きく影響するため、機器選びは慎重に行いたいものです。この記事では、初心者にも分かりやすく、各駆動方式の特徴を比較し、最適な選択肢を探ります。

駆動方式とは?
ターンテーブルの駆動方式とは、モーターからの駆動力をどのようにしてプラッター(レコードを乗せる円盤)に伝えるかを示すものです。この駆動方式の違いが回転の安定性や音質に大きな影響を与え、ターンテーブル選びには欠かせない要素となります。主に使用される駆動方式は以下の3種類です:
- ベルトドライブ方式
- ダイレクトドライブ方式
- アイドラー(リムドライブ)方式
それぞれの特長を詳しく見ていきましょう。
ベルトドライブ方式
特徴
ベルトドライブ方式は、モーターの回転力をゴム製のベルトを介してプラッターに伝える方法です。この方式は非常にシンプルな構造を持ち、アナログ音楽の再生において柔らかくナチュラルな音質を提供します。
メリット
- 振動の影響が少ない:モーターの振動がプラッターに直接伝わらないため、音質にノイズが入りにくい。
- 音質がナチュラル:音が非常に柔らかく、繊細な表現力を持つため、特にクラシック音楽やジャズの再生に最適。
- シンプルでメンテナンスが容易:構造がシンプルで、定期的なメンテナンスが比較的簡単。
デメリット
- ベルトの劣化:長期間使用すると、ベルトが劣化し交換が必要になることがある。
- 回転精度がモーターに依存:ベルトの状態や経年変化によって回転ムラが生じることがある。
向いている人
音質にこだわり、特に柔らかく自然なサウンドを楽しみたい人に最適です。アナログならではの繊細な音を楽しみたい方におすすめです。
オーディオ初心者のころは、ベルトドライブに憧れました。つぎの方式を見てみましょう。
ダイレクトドライブ方式
特徴
ダイレクトドライブ方式は、モーターがプラッターに直接駆動力を伝える方式です。この方式は、回転精度や反応の速さを重視したいユーザーに人気があります。
メリット
- 回転精度が高い:モーターから直接駆動力が伝わるため、回転ムラが少なく安定しています。
- 立ち上がりが速い:電源を入れるとすぐに安定した回転に到達します。
- 耐久性が高い:ベルト交換の必要がなく、メンテナンスが少なくて済みます。
デメリット
- モーターの振動が影響する場合がある:モーターが直接プラッターに接続されているため、モーターからの振動が音質に影響を与えることがあります。
- 構造が複雑:一部の機器では、故障した際の修理やメンテナンスが複雑になることがあります。
向いている人
安定した回転を求めるリスナーや、DJなどの音楽パフォーマンスを行う人に最適です。特に、回転精度や素早い立ち上がりが重要な用途にはダイレクトドライブが適しています。
ぼくが現用しているのはダイレクトドライブ。使い勝手はとてもいいですね。
アイドラー(リムドライブ)方式
特長
アイドラー方式は、モーターの回転力をゴム製のアイドラー(ホイール)を介してプラッターに伝える方式です。ヴィンテージ機や一部の高級ターンテーブルで見られる方式です。
メリット
- 力強い駆動力:モーターの力がダイレクトにプラッターに伝わるため、力強い音質が得られます。
- 回転スピードの安定性が高い:重量感のあるプラッターを安定して回転させることができるため、音質に優れた安定感を提供します。
デメリット
- メンテナンスが大変:ゴムホイールが経年劣化しやすく、定期的な交換が必要です。
- ノイズの影響を受けやすい:摩擦による振動やノイズが発生することがあるため、音質に影響を与える可能性があります。
向いている人
ヴィンテージ機材の音質や重厚感を好むオーディオ愛好家におすすめです。クラシックな音質や、アナログの「温かみ」を感じたい人に最適です。
ビンテージをしている知人はほとんどリムドライブです。力強い音が魅了だと熱く語っていました。
どの駆動方式を選ぶべき?
ターンテーブル選びは、音質だけでなく、使用目的や好みによって大きく変わります。各方式の特徴を踏まえ、自分に最適なターンテーブルを選ぶことが重要です。
ヴィンテージ感重視:アイドラー方式は、独特な重厚感のある音質を提供し、ヴィンテージ機材の魅力を引き出します。ターンテーブルの駆動方式は、それぞれに特徴があり、目的や好みに応じて選ぶのがベストです。
音質重視:ベルトドライブ方式は、ナチュラルで柔らかい音質を提供します。クラシックやジャズを好む人には最適。
操作性重視:ダイレクトドライブ方式は、安定性とメンテナンスフリーを求める人に最適。DJやパフォーマンスに向いています。
まとめ
ターンテーブルの駆動方式は、音質や使用感に直結する重要な要素です。自分がどのような音楽を聴き、どのような使用感を求めるかを考慮して、最適なターンテーブルを選ぶことが大切です。最終的には、個々の音楽の楽しみ方に最も合ったものを選んで、アナログレコードの奥深い世界を存分に楽しんでください。
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