ラインアンプを作成計画を立てて、回路を具体的に考えてみました。このブログでは、回路の説明とこれから必要なことを洗い出して文章にまとめました。
ラインアンプ作成についての関連ブログのリンクはこちらです。
目次
真空管ラインアンプ回路図
構想で2,3点回路を取り上げたなかから、音がよさそうな6V6を使ったタイプを深堀します。回路は次のようなものを考えました。(構想については、ページの先頭に貼り付けたリンクのブログにかきました。)
イメージしたアンプは次の3つでした。
- 6V6や6F6を使用
- 12AU7を使用
- 6AH4等3極管を使用した回路
回路構成
構成は、3極管とビーム管の3極管接続の2段増幅回路です。出力段にはライントランスを使っています。オールオーバーのNFBや部分的な帰還はなくシンプルで教科書のような回路です。
ぼくとしては、シンプルな回路こそが部品の良さをだせ、真空管らしい音を楽しめる回路だと考えています。
6SN7 電圧増幅部について
電圧増幅部は、6SN7の1/2ユニットを使用したカソード接地のプレートフォロワー型回路です。6C5を左右で2本使用することでも同じです。アンプ筐体の大きさに影響があるため複合管を自分は好んでつかっています。
また6SN7は、現在も生産されていますので良質な真空管の供給にこまらないというメリットがあります。
部品や電圧の定数を決めていきます。目標としては、できるだけ歪率が低くなるように定数を決めていこうと思います。
もうひとつのポイントは、最大で1Vの入力信号がはいってくることを前提にします。各種の再生機器やフォノイコライザーの出力電圧から1Vを決めています。
また、この6SN7の1段で6V6の3結を十分にドライブできるだけの電圧利得を稼ぐことが必要です。ポイントは選択できる範囲で、低歪になるように定数を決めることです。
いくつかのポイントをまとめてみます。
- 低歪な値をCR結合表から選択すること
- 入力電圧は最大1V
- 6V6(T)をドライブできること
6V6 3結 出力段について
今回のラインアンプは、UTCライントランスを使ったアンプをつくる目的があります。トランスは、6V6や6F6と一緒に当時使われていたため6V6を選びました。
6V6出力段の設計目標は、
3結で使うこと、NFBを使わないためパワー段の内部抵抗を3結によって下げることと、歪を下げることを考えてます。
もうひとつのポイントはプレート電流を最大でも30mAとすることです。
これはのちのちに電源部を設計した時に、電源の電流を最大100mA程度にすることで電源トランスの価格を抑えられます。左右それぞれが40mA以下で設計をすることで目的が達成できます。
バイアスについては、作成後のメンテナンスはほとんどしないので自己バイアス回路にします。左右でプレート電流のバランスが取れなくても支障がほとんどでないです。
チョークコイルの選択肢もふえるので都合がよいです。
出力段についてのまとめ
- 3極管接続とする
- プレート電流は30mAを最大にする
- 自己バイアスとする
今後のプラン
書いた回路に定数を入れ、トータルゲインを計算します。トータルゲインは、アンプの入力信号に対しての出力信号の比率のことです。入力信号に対して出力が何倍になるのかを計算します。
目標値は2~5倍を考えています。
パワーアンプは、通常2Vの入力があれば足ります。しかし、あえてラインアンプの最大5Vくらいにすると、その半分までの出力電圧でつかいますので、歪率の低い美味しいところでつかえます。
ぼくは、Youtubeでも真空管アンプの情報を発信しています。真空管アンプの自作に興味がありましたら動画も是非ご覧ください。