![Jill WellingtonによるPixabayからの画像](https://chichiblog.fun/wp-content/uploads/2020/09/pretty-woman-1509956_640.jpg)
こんにちは、じゅんいちです。真空管アンプやオーディオ機器の自作を楽しみ、情報をブログやYoutubeで発信しています。
この記事では、先日次のようなコメントをFBでみましたのでぼくの考えを、書いてみたいと思います。
KT88シングルアンプが突然の故障、ヒューズが飛んだかなくらいの軽い気持ちでサービスに送ると、なんと真空管がリークして、トランスが焼けており、新品を買った方が安い、全ての原因は、真空管のソケットに接点復活剤を塗ったためとのこと、大ショックです😭😭😭。
FB
最後まで読んでいただきますと、
なぜ接点復活剤を真空管ソケットに使えないのか、
理由がわかります。
目次
接点復活剤を塗るとなぜリークするの?
![](https://chichiblog.fun/wp-content/uploads/2020/09/house-painter-3062248_640.jpg)
コネクターなどの電気を流す部品には、必ず耐電圧というものが決められています。
耐電圧(たいでんあつ)とは、機器や電子部品に加えることができる電圧の限界値をいう。
絶縁体がある場合においては、電圧を加えた際に絶縁物が破壊されない電界の強さの最大値をいう。つまり、絶縁物に印加できる電圧の上限である。
Wikiペディアより
接点復活剤をコネクターに塗布したことにより、
コネクターが仕様として持っていた耐電圧が下がってしまい
電気的に別れていなければならないピン間が
接続してしまったことが考えられます。
それにより、プレート電流が多く流れ
出力トランスや電源トランスを
壊してしまったと想定されます。
耐電圧の設計方法とは
![](https://chichiblog.fun/wp-content/uploads/2020/09/tax-468440_640.jpg)
なぜ接点復活剤の影響で耐電圧が下がったのかを
掘り下げて説明します。
最初にコネクターの耐電圧は、どのようにして決まるのかを
知る必要があります。
耐電圧は、いくつかの要素を合わせて決まります。
- 絶縁材の性能
- 電極間の空間及び絶縁材の沿面距離
- 使用場所の環境
絶縁材の性能
電気は、絶縁材の表面を流れようとします。
材料により電気の流れやすさが異なります。
流れにくい材料であれば、耐圧が高く、
流れやすい材料であれば耐圧が低くなります。
専門用語になりますが、
材料の絶縁特性のことをCTI値といいます。
電極間の距離
空間距離といわれるものと
沿面距離というものがありますが、
空間距離よりも沿面距離を
とる方が難しいです。
空間距離というのは、
電極と電極の間がいくつあいているのか、
という距離のことです。
縁面距離というのは、
電極と電極の間には
絶縁材(プラスチックやセラミック、ガラスなど)があり
その表面をなぞった距離のことです。
下の写真を見ていただくと、
碍子は凸凹した形で真っ直ぐな柱よりも
沿面距離が長くなるよう工夫されていることがわかります。
使用場所の環境
最後に使用する環境についてです。
専門用語でいうと汚染度と言うものがあります。
汚染度(Pollution Degree)は、機器が使用される空気中のほこりなどの汚染により1~4の段階に分類され、空間距離(汚染度と過電圧カテゴリで決定される)、沿面距離(汚染度とCTI値で決定される)を決定する重要な要素です。 汚染がないか、または乾燥した、非導電性の汚染のみが生ずるもの。
汚染度(規格一般用語集) - 製品に関するFAQ | オムロン制御機器
真空管アンプを使い、設計することから考えると
- 部屋の温湿度
- ホコリなどによる汚れ
によりアンプの寿命が決まってきそうです。
接点復活剤をソケットに塗ると
![](https://chichiblog.fun/wp-content/uploads/2020/09/thinking-272677_640.jpg)
接点復活剤を塗りますと、
絶縁材の表面が薬により
コーディングされてしまいます。
ソケットのピンについていた汚れなどが
絶縁材上に残ってしまう可能性ものあります。
耐電圧を計算する際に重要な汚染度を
接点復活剤により極端に悪くしてしまいます。
そして
電極間で電気がリーク、ショートしてしまい
真空管やその他の部品が破損し
アンプの故障につながります。
接点復活剤使用の注意点
![](https://chichiblog.fun/wp-content/uploads/2020/09/girl-2771936_640.jpg)
接点復活剤は、
ラインケーブルの接点や
スピーカー端子などであれば
電気的な事故につながらないため
使用しても問題ないと思われます。
液体というのは、
広がっていく習性があるので
塗ったところから別のところへ
流れていくことも
考慮しないと行けないです。
オーディオ機器のクリーニングは、
乾いた布を使って拭き掃除をする。
細かいところは、
ドライバーやキリなど細いものに
布を巻きつけて行うように僕はしています。
どうしても汚れが取れない時だけ、
わずかにアルコールや水を
布につけて使うようにしています。
YouTubeでの解説
動画でも同じ内容をアップしています。