こんにちは、ブログへお越しいただきありがとうございます。
最初に簡単に自己紹介します。大学時代に真空管の音に興味をもち、アンプは真空管というオーディオマニアです。大学生当時オーディオ機器は高価で購入ができなかったので、自作もそのころから始めました。
ある時、SNSで真空管アンプの作り方の問い合わせを頂き、YouTubeとブログで参考になる情報を発信しはじめました。もし興味を持たれた方が、ご自身でアンプを作られ、そのアンプで音楽が楽しめれば幸いです。
このブログでは845という大型の3極管を使用した出力段の設計方法を説明します。別のページでも真空管やオーディオにまつわることを記事にしています。
845の動作方法
当時の規格表から動作方法を抜粋します。ここでは、例としてプレート電圧1000V時を取り上げたいと思います。
- プレート電圧:1000V
- バイアス電圧:-145V
- プレート電流:90mA
- 負荷抵抗:6kΩ
- 出力:24W(歪率5%)
この動作例をもとに回路図に値を書き込んでゆくと、次のようになります。動作例に出ていない数字について回路図の後に補足をします。またピン接続も回路の次に記載します。
カソードの1.5kΩの抵抗は、バイアス電圧とプレート電流値からオームの法則を用いて計算します。計算上では1611Ωが適正な値と出ますが、抵抗は決められた値から選ぶためここでは1.5kΩとしました。 1.6k(=1.5k+100) でも問題ないかと思います。
グリードリークの470kΩは、前段のプレート負荷抵抗の倍程度の値を選ぶようにします。気を付けないといけないこととして、グリッドリーク抵抗は各真空管最大値が決められています。
845は、自己バイアスで500kΩ以下、固定バイアスで100kΩ以下と仕様書に書かれています。
出力トランスの選定
出力トランスは、できるだけ定格容量(=最大出力)の大きなものを使用することをおすすめします。今回のアンプでは真空管の出力は24Wとなりますが、トランスは倍程度の容量のあるものを選ぶとよいです。現実問題50Wのシングルトランスはほとんどありませんので30Wまたは40W級を使います。
シングルアンプの場合はプレート電流によりトランスが磁化しますので、コアが大きい(ボリュームの大きい)ものを選択されると音質によい影響があります。
2020年3月現在では、次の様なトランスがあります。
ISO: https://isotransformers.tokyo/
- FC-30-10S(10k,30W)
- FC-40-10S(10k,40W)
General Trans/ゼネラルトランス: https://www.gtrans.co.jp/
- PMF-30WS-7k(7k,30W)
- PMF-40WS-7k(7k,40W)
- FM-24WS-211(7k,10k,24W)
Tamura: https://www2.big.or.jp/~sunaudio/
- F2013(10k,40W)
Hashimoto,橋本 : http://www.hashimoto-trans.co.jp/frame/tubetr.html
- H-40-10S(10k,40W)
解説動画をアップロードしました。合わせて是非ご覧ください。