アナログレコードを楽しむ上で、カートリッジ選びは非常に重要です。特にMC(ムービングコイル)カートリッジとMM(ムービングマグネット)カートリッジの違いを理解することで、より自分の好みに合ったサウンドを得ることができます。本記事では、それぞれの特徴やメリット・デメリットを詳しく解説し、現在販売されている代表的な製品を紹介します。

目次
1. MMカートリッジとは?
MM(Moving Magnet)カートリッジは、レコードの溝をトレースする針先がカンチレバーを通じて小さな磁石を振動させ、その磁場の変化をコイルが電気信号に変換する方式です。
MMカートリッジの特徴
- 出力が高い(一般的に5mV前後)ため、フォノイコライザーに接続しやすい
- 針の交換が可能なモデルが多く、メンテナンスが容易
- 比較的安価で種類が豊富
- トレース能力が高く、ポップスやロックにも向いている
MMカートリッジのデメリット
- コイルが固定されているため振動系の重量が大きく、細かい音の表現力ではMCカートリッジに劣ることがある
- 高域の繊細さに欠けることがある
2. MCカートリッジとは?
MC(Moving Coil)カートリッジは、針先が動くことで直接コイルが振動し、電気信号を発生させる方式です。コイル自体が小さく軽量なため、音の細部まで正確に再現できると言われています。
MCカートリッジの特徴
- 音の分解能が高く、繊細な表現が可能
- ダイナミクスが豊かでリアルな音場感を再現
- クラシックやジャズなどの高解像度を求めるジャンルに向いている
MCカートリッジのデメリット
- 出力が低い(一般的に0.2~0.5mV程度)ため、MC対応のフォノイコライザーや昇圧トランスが必要
- 針交換ができない(リビルドサービスを提供するメーカーはある)
- 価格が高価なモデルが多い
3. MMカートリッジとMCカートリッジのどちらを選ぶべきか?
カートリッジの選び方は、使用する機材や好みの音楽ジャンル、予算によって変わります。
MMカートリッジが向いている人
- 手軽にアナログレコードを楽しみたい
- カートリッジ交換を頻繁に行いたい
- フォノイコライザーがMM入力のみの機材を使っている
MCカートリッジが向いている人
- 高解像度で繊細な音を求める
- 高級なオーディオ機材を使用している
- クラシックやジャズなどのアコースティックな音楽を主に聴く
4. 現在販売されている代表的なカートリッジ
MMカートリッジ
- Audio-Technica AT-VM95E(手頃な価格で高品質なエントリーモデル)
- Ortofon 2M Blue(クリアでバランスの取れた音質)
- Nagaoka MP-110(ウォームな音質で人気のモデル)
- Grado Prestige Gold3(自然な音の広がりと滑らかさが特徴)
MCカートリッジ
- Ortofon Cadenza Black(高解像度で繊細な音が魅力)
- Denon DL-103R(長年の定番モデルでナチュラルな音)
- Audio-Technica AT-OC9XSL(高いコストパフォーマンスを誇る)
- Koetsu Black(ハンドメイドで高品位な音を実現)
まとめ
MMカートリッジとMCカートリッジは、それぞれ異なる特徴を持っています。初めてアナログレコードを楽しむ方にはMMカートリッジが適しており、より高音質を求めるならMCカートリッジを検討するのが良いでしょう。
音楽のジャンルや好みに応じて、最適なカートリッジを選び、アナログレコードの魅力を存分に楽しんでください!
